会社生活を駆け抜け(た)日々

55歳でひとまず会社生活に区切りを付けたその後の日々

『安倍公房とわたし』

こんにちは。


キャンプの帰りに、コメダ珈琲に寄って、読みかけの本を読んでしまいました。



女優の山口果林の、『安倍公房とわたし』です。


安倍公房と山口果林は、劇団をやっている頃から付き合っていたそうです。安倍公房は結婚していましたので、山口果林は愛人ということになります。


だからその関係を公には出来ず、また自分の仕事にも影響するので、ひたすら隠し通して来たということです。安倍夫人には薄々勘付かれていて、たまに会う機会があっても冷たくされたそうです。


安倍公房が亡くなる時には、山口果林のマンションから救急搬送されたとのこと。そして関係が公になり、いろいろ苦労したとあります。


この山口果林という人はなかなか芯のある人だなというのが本を読んでいてわかりました。晩年の創作活動を支えながら、決して自分を表に出さないで、サポート役に回りました。ご自身も女優として表舞台で活躍しているので、そういう欲求みたいなものはあったと思います。


日本人は不倫が好きだという印象があります。『不倫は文化だ』という某俳優の名言もありましたし、ワイドショーがこぞって話題にするのは誰々が誰々のマンションに入って行った、という逢引きネタです。こういう本を出すと、世間は非難しますが、逆をいえばそれだけ憧れがあるということだと思います。


だから、こういう本を出したことに対して非難するつもりはありません。山口果林は、自分の半生を取り戻したいという気持ちでこの本を書いたということです。


ただ安倍公房が亡くなってしまっているので、何処までが真実なのかはわかりません。また一番の被害者は、その関係性を知りながら、長年見て見ぬ振りをして来た安倍真知夫人だと思います。そこだけは勘違いしてはなりません。


その物語性みたいなものは認めますが、どちらの側に立つのかで感じ方が変わって来る本です。

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