会社生活を駆け抜け(た)日々

55歳でひとまず会社生活に区切りを付けたその後の日々

今の状況は自分で勝ち取ったもの・②

①の続きです。


今年の年明け早々に仕打ちを受け、年初から休職をすることになりました。


これは全く狙ってやったわけではなく、自分にとっては計算外のことでした。何故ならサブタイトルにも謳っている通り、55歳でセミリタイヤをしようと思っていたからです。


あと一年とちょっとの間に、資金も貯められるだけ貯めて置こう、そうしてセミリタイヤをすこしでも楽なものにして置こう、そのつもりでした。


そしてその後も勤労意欲は全く向上せず、これがうつというものか、と思いました。


自分は色んなことを気にしてしまう小心者ですが、精神的に弱いとは思っていませんでした。精神的に弱いなら、もうとっくに社会からは逸脱している筈です。幾つも会社を変わってはいますが、それでもなんとか喰い付いていた。


ですがとうとう、54歳にしてそれも終わりました。働く気になれないのです。


そして心療内科に診察に行き、適応障害の診断を受け、傷病手当というものがあるということを知りました。


それを使えばしばらくの間は療養しながら生活することが出来ます。なんとありがたいことか、と思いました。


それは、ある意味では、自分が待ち望んでいた生活だったのです。食っていくのに必要な分のお金さえあれば、あとは庭で木を切ったり、DIYをしていればいい。贅沢はせず、たまに釣りにいったり出来るぐらいの余裕があればいい。


若年寄のようですが、それも一つの結論です。若い頃には『覇気がない』なんて散々小馬鹿にされたものですが、こんな社会になって、どの口がそういうのか、見てみたいものです。こんなご時世、覇気をどうやって維持するのか、そういう奴に限って、右も左もわからない人間を騙したり、陥れたりして、散々いたぶって来たじゃないか。


世の中のそういう構造がわかるにつれ、自分の考え方はブレなくなりました。そして今の状況を、本当に『勇気を持って勝ち取ったもの』、と思うことが出来るようになりました。


傷病手当金というものは会社員に支給されるものです(自営業などは支給されないそうですが、詳しいことはわかりません)。つまり、この会社組織というものに、打ちのめされ、それでもなんとかやって来た人間の、言わば最後の拠り所というものだと思います。


ですので自分にとって、今の状況は、まさに自分で勝ち取ったもの、という風に言えると思います。


これから、会社とのしがらみ無しに、好きなことをやって生きて行けるのです。お金なんて大した問題ではありません。


お金が必要だと思う人間は、これからも会社というものに捕らわれてやって行くしかないのです。60歳を過ぎてもまだ働けるなんて豪語している人間は、その実、働かないとやっていけないということの裏返しなのです。社会の構造に気付かないまま、散財や豪遊を繰り返し、未だに貯金すらままならない暮らしぶりを続けた結果の、成れの果てです。


見栄や欲望をコントロールして、キチンと自分の身の丈に合った生活を勝ち取った人間こそ、真の賢者なのです。

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