会社生活を駆け抜け(た)日々

55歳でひとまず会社生活に区切りを付けたその後の日々

造られた世界

いまハマっている盆栽の世界。


私が始めたのは、いつも行く山の岩肌で、枯れそうになりながらもしがみついている一本のカエデの木を見つけたからでした。


今年の夏はとくに酷暑で、雨がいつ降るかわからず、殆ど瀕死状態だったと思われます。


そんな環境で育った苗は、自然の厳しさに晒され、凛とした雰囲気を放っています。


一方、盆栽には畑から育てる苗も揃っています。


こちらは栄養も不足なく与えられ、管理されて育った苗です。


そして盆栽では、これらの木を針金で曲げて、自然の厳しさを表現するというやり方が一般的です。


ここですこし疑問に思うのが、これらの苗は決して厳しい環境では育って来ていないということです。


山の断崖に落ちて来て、そのような環境でしか育つことの出来なかった個体。そのようなものと、比較的恵まれた環境で育ち、針金でそれを表現しようとした個体。


このふたつを、姿形はまったくおなじに仕立てた場合、受け取り手から見た場合の雰囲気は異なるでしょうか?


そして無闇に針金で曲げるのを良しとしている風潮に、疑問を抱く人はいるでしょうか?


まだ入り込んだばかりですが、そんなことを思うようになりました。

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