会社生活を駆け抜け(た)日々

55歳でひとまず会社生活に区切りを付けたその後の日々

太宰治がHOTになっていた

数日前に自分の性格上の問題を太宰治に絡めて記事にしたばかりですが、なんといまアメリカでは『人間失格』が人気なんだそうです。



きっかけは、Tik Tokで紹介された動画に多くの若者が共感し、次々に新しい動画が上げられているということなんだそうです。


私はTik Tokをやりませんのでどういった動画が上げられているのかわかりませんが、そこから書籍の方にも人気が飛び火し、日本人作家のなかでも売り上げNo.1になっているそうです。


太宰治は好きな人、嫌いな人がはっきりしていると言われます。それは結局自分の弱さを乗り越えようとするか、或いは受け入れようとするかの姿勢の違いだと思われます。そして前者のような人は太宰治を嫌悪し、後者のような人は共感する。


私も後者のような人間でしたので、太宰治というのは若い頃から気になる存在でした。文庫本を買って、自分の今後の人生の進み行きを探るような気持ちで読んでいました。『人間失格』の大庭葉蔵のように破滅の人生を歩むことになるのかな、などと考えていました。


なにもかもがうまくいっている時は太宰治の本なんて手に取らないでしょうが、逆にちょっとしたことでうまくいかなくなり、それがきっかけとなって悪い方へ状況が転がって行く時なんかは、きっと太宰の本というのは真価を発揮するんだと思います。そしてアメリカではいまそのような変化が若者のなかに訪れているのかも知れません。能天気なアメリカ、という状況ではなくなって来ている、ということなんでしょう。


これをきっかけにして、太宰治の文学が再び脚光を浴びるようになればいいと思います。

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