会社生活を駆け抜け(た)日々

55歳でひとまず会社生活に区切りを付けたその後の日々

常連という厄介な存在

盆栽をやるようになってから、隣県にある小品盆栽店に行くようになりました。


そこはネットなどにもあまり情報が載っておらず、店主と奥さん二人で切り盛りしているようなちいさなお店です。


あまり営利目的でやっていないみたいで、盆栽や鉢をレジに持って行くと、店主さんが言い値で値段を付けてくれます。


2000円という値が付いたものは、大体1500円になります。鉢と一緒に買ったりすると、もっと安くしてくれます。


ネットなどではどう見ても5000円ぐらいの小品盆栽が、ここでは2000円で売っていて、いい意味で商売っ気がないお店と言えます。だから末永く続いて欲しいと思っています。


何回か通って、店主さんとも顔馴染みになっていますが、お互いシャイなので、あまり話を長く続けられない感じです。会計をしながら、二言三言交わす、といったぐらいです。


そんな店なのですが、やはりここにもこの手の店によくいる『常連』という方たちが存在します。


こちらが会計をして帰ろうとしていると、のっそりと現れて、レジ横のスペースに、ドカッと腰を下ろします。


そしてなんとなく不遜な雰囲気を漂わせながら、店主さんや奥さんと『歓談』をするのです。


店側にとっても、その度毎に小物などを買ってくれるので、まあ上客ではあると思います。


ですが私はどこの個人店でも、この手のタイプの人たちが苦手です。


なぜならそこには、排他的な雰囲気が感じられるからです。


店主や奥さんと歓談し、一見朗らかそうに見えますが、他者(こちら側)がなにか聞いたりすると、なにか侮辱されたような顔付きで見詰めます。折角の会話が乱された、という感じです。


この空間は俺のものだとでも言いたげな雰囲気です。この顔を見るだけで、ゲンナリします。


実際、こういう趣味的な個人店で、こういった人間の存在を排除するのは、至難の業だと思います。頻繁に来てくれて、商品を買ってくれるのですから、店側も嫌な顔は出来ないでしょう。


ですがこれは確信を持って言えるのですが、常連という方々の存在は、経営する側にとっては、迷惑以外の何物でもないはずです。その店がそういう人たちの力を借りずとも成り立つぐらいの魅力があれば、自然と人は来るからです。


また、2、3の小物と引き換えに、下らない世間話に、延々と付き合わされる、この苦痛もかなりのものだと思います。顔では笑っていても、心では苦虫を噛み潰している、そんな情景が目に浮かびます。


この常連という生き物は、空気を読まないというのがその生態的特徴のようです。

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