尾根を行く
とくに用事がなくて天気がいい日は、大抵どこかに歩きに行っています。
今日も荒れるとの予報でしたが、近くの里山に行って来ました。
そこの尾根を歩いて行き、すこし丘になったあたりで休みます。
遠くに富士山と、先日登った『白クラの頭』がそびえています。
そのまま尾根伝いに登って行けば、その山のピークに到達することが出来るのですが、勾配がキツくなって来るにつれて恐怖心が勝って来てしまい、思い止まることにしました。
なにしろ一人なので、万が一滑落してしまったらそれまでとなります。骨が折れても誰も助けに来てはくれません。
最近道を歩いているだけで足を挫くことが多くなりました。多くは横にグキッとなる捻挫ですが、これがもうすこし酷くなると、恐らく歩行不能になると思います。足をトントンとして大丈夫なことを確認するのですが、その度にホッとします。
単独行動が多い自分にとって、歩いて行く毎に痛みが酷くなって行くのは、それだけで恐怖です。もしかして今日はここでひと晩明かさなければいけなくなるかも、そんな可能性もあるからです。
夜になるにつれてみるみる下がって行く気温、濃くなって来るケモノの気配、そしていちばんの難敵である自身の恐怖心、そんなものとひと晩中饗宴を繰り広げなくてはなりません。
いつでも最悪のことを考えて行動する、臆病なくらいに慎重に状況判断する。
単独登山には、そのぐらいの資質が求められます。