会社生活を駆け抜け(た)日々

55歳でひとまず会社生活に区切りを付けたその後の日々

日本の将来を憂いた武士


三島由紀夫 - 檄


三島由紀夫の市ヶ谷駐屯地での割腹自殺は、いままでの日本の事件のなかでも最も衝撃的な出来事だったと思います。


ですが割腹という、派手な行為ばかりがクローズアップされてしまい、三島由紀夫が主張していた本意のようなものは見過ごされて来たように思います。


《抜粋》


諸君は、去年の一〇・二一からあとだ、もはや憲法を守る軍隊になってしまったんだよ。自衛隊が二十年間、血と涙で待った憲法改正ってものの機会はないんだ。もうそれは政治的プログラムからはずされたんだ。ついにはずされたんだ、それは。どうしてそれに気がついてくれなかったんだ。


去年の一〇・二一から一年間、俺は自衛隊が怒るのを待ってた。もうこれで憲法改正のチャンスはない!自衛隊が国軍になる日はない!建軍の本義はない!それを私は最も嘆いていたんだ。自衛隊にとって建軍の本義とはなんだ。日本を守ること。日本を守るとはなんだ。日本を守るとは、天皇を中心とする歴史と文化の伝統を守ることである。


おまえら聞けぇ、聞けぇ!静かにせい、静かにせい!話を聞けっ!男一匹が、命をかけて諸君に訴えてるんだぞ。いいか。いいか。
それがだ、いま日本人がだ、ここでもってたちあがらなければ、自衛隊がたちあがらなきゃ、憲法改正ってものはないんだよ。諸君は永久にだねえ、ただアメリカの軍隊になってしまうんだぞ。諸君と日本の………アメリカからしかこないんだ。



・・・いまの日本はほぼアメリカの属国で、三島が予言した懸念は現実のものになっています。


日本は国際社会でもアメリカの意向をそのまま鏡写ししているだけで、諸外国からはそのような主体性の無さをバカにされています。北朝鮮がミサイルを発射するたび、遺憾の意を表明していますが、恐らく裏で嘲笑われていることと思います。


また武器の輸入に関しても、アメリカから法外な値段の武器を買わされています。日本が開発すればもっと低コストで済むのを、アメリカの属国のように無抵抗で受け入れています。


日本は国土的にも充分食糧の自給をする能力があるのに、アメリカからの安い穀物や牛肉を押し付けられ、国内農業は衰退の一歩を辿っています。これは近い将来いちばんの問題となるかも知れません。


三島由紀夫が死を賭して訴えた危機は、もう現実となっているのです。

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