会社生活を駆け抜け(た)日々

55歳でひとまず会社生活に区切りを付けたその後の日々

ブルーカラーが必要とされている

現在の労働人口減少の大問題として、現場の担い手が不足しているというのがあると思います。


私も高校を卒業してから、ほぼ現場作業員として勤めており、工場のライン工、物流の運搬員、観光施設の整備員など、色々辿って来ました。


そのすべてで言えたことは、やはり現場仕事は嫌だな、ということでした。机に座って、制服を汚さないで済む事務仕事の方がいいに決まっています。


ですが、本当にそれでは社会が回らないというのは分かり切ったことです。世のなかには、机の上だけで完結出来る仕事など、わずかしかないのです。


いまの社会は、自分だけは損をしたくないという考え方で溢れています。労働者や経営者、ひいては政治家まで、その考えに支配されています。


昔のように、長い目で物事を見て行くという考えは廃れてしまい、みんなが短絡的に自分の未来のことだけを考えています。


そのような社会では、現場仕事をする人たちに対する労わりと尊敬の念というのは育ちにくくなります。


汚い仕事、キツイ仕事、危険な仕事、これらをやってくれる人たちがいるからこそ自分たちが快適に暮らして行ける。そんな発想がなくなり、こういう仕事にだけは就かないようにしよう、子供にもそうならないよう躾けよう、そんな冷酷な視点しか持てなくなっています。


その弊害は、もうすぐ、というか、私たちの想像を超えてやって来ます。今日もワイドショーでは、介護現場の危機的状況について討論していました。そんなこと、もう何十年も前から言われていることです。賃金を上げるという解決策以外ないと思うのですが、国庫が破綻する(?)という理由で難しいとのことでした。


それなら、お好きにして下さい、という他ありません。いま国のお金でやりたいようにやっている人たちは、絶対に自分たちが介護される立場になったら、その報いを受けることでしょう。手足の自由が利かなくなって、下の世話を頼んでも、持ち前の傲慢さが顔を出してしまうため、介護士さんたちに疎まれてしまいます。いや、却ってその傲慢さがシグナルとなってしまい、あんな奴にいい思いをさせてたまるか、という方向に皆が結託します。


ブルーカラーの人たちを、これからはちょっと過剰なくらいに優遇しないと、社会の存続が危うくなるところまで来ているように感じます。

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