会社生活を駆け抜け(た)日々

55歳でひとまず会社生活に区切りを付けたその後の日々

叩きやすい人間を叩く媒体

こんにちは。


岸田総理が広島で襲撃されて、犯人が漁師に取り押さえられた一件で、ワイドショーは引っ切り無しにその話題を報じています。


犯人の思想的背景や、事件の発端と思われる出来事など、様々な事象をこれでもかというぐらいにこねくり回して、格好の話題を提供してくれたことに対して感謝しているようにさえ思えます。


まあ一国の総理が狙われたということで、重大なニュースには違いありませんが、『取り上げ方』という一面に於いて、すこし偏り過ぎかなという感は否めません。


例えばネットでよく取り上げられている、ジャニー喜多川の性的虐待について。イギリスのBBCが特集で取り上げたことで、一気に世に出回る事態になりました。過去に被害を受けたジャニーズのひとりも外国特派員協会で記者会見を行うなど、相当の事態になったと認識しています。


しかし、このニュースをネット以外で見ることはまずありません。朝の情報番組も、その後に延々と流れるワイドショー群に於いても、ジャニー喜多川の名前すら出て来ないのです。


TV業界はこの一件に関して、ダンマリを決め込んでいます。その裏側に、TV業界に未だ大きな影響力を持つジャニーズ事務所への忖度があることは、小学生でもわかることです。しかしそれが、立場を利用した未成年への性的搾取という卑劣な行為を、スルー出来るほどの事柄なのでしょうか?


このことを頭に置いて、いま一度ワイドショーに取り上げられるニュースの内容を見てみて下さい。『ああ、叩きやすい所を叩いているだけなんだな』、ということに気づく筈です。岸田総理を襲撃した、無名の青年。なんの後ろ盾も無く、社会でも居場所がありません。所謂『社会的弱者』です。


そんな人間なので、TV業界はここぞとばかりに取り上げて小突き回します。あるコメンテーターなんかは、その『社会的弱者』というワードを逆手に取り、


『このような人間が犯罪に走るという、社会構造を変革して行かなければならない』、なんて涼しい顔で言っています。その為にこのような人達が気軽に利用出来るコミュニティを作って行くのが大事、なんて言っていますが、そんな綺麗事はもう聞き飽きましたね。そんな言葉、もう次の日には脳裏から消えて無くなっているクセに、と思います。


それより、『TV局は何故ジャニー喜多川の性的虐待という、ワイドショー好みのネタを扱わないのか?』という話題を、自虐的にやってくれる局は無いのか?と思います。それこそ、この腐り切った構造を洗い出すいい機会と思うのですが。


そうしなければ、もうテレビという巨大な遺物的媒体は風前の灯です。

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