会社生活を駆け抜け(た)日々

55歳でひとまず会社生活に区切りを付けたその後の日々

恐るべしストロングゼロ

こんにちは。


私は在職時、毎日ストロングゼロを2本飲んでいました。


350mlを2本なので、量的にはそんなに沢山というわけではなかったです。


仕事は肉体労働に近かったので、毎日飲む言い訳が立ちました。疲れた身体にキーンと冷えたストロングゼロを流し込む快感が溜まらなかったです。


私が飲み始めてしばらくしてからでしょうか、なにやらストロング系缶チューハイがやばいとの噂が出始めました。


アルコール度数が高いので、摂取量が簡単に基準値を超えてしまう、人工甘味料により、スイスイ飲めてしまい、急性アルコール中毒になる恐れがある、など、様々な弊害が指摘されていました。


ストロングゼロは安くてアルコール度数が高いというのが取り柄であり、短所でもあります。ですがこれこそが、ブラック企業にこき使われ、心身ともに疲労した人間の、唯一のオアシスでもあったわけです。


私の飲み方は、まず夕食を摂りながらダブルレモンなどの味の濃いものを一本、そして夕食の後、パソコンの前に座り、スナック菓子をつまみながらドライを一本、という感じです。これがなんともいえない至福の時間でした。明日もなんとかやって行こうという気持ちになれる瞬間でした。


私の場合は毎日身体を酷使していたので、悪酔いするということはありませんでした。ただ毎日こんなに強いお酒を2本飲んで、その揺り返しが恐い気持ちはありました。そして身体はなんとか持ち堪えてはいたものの、精神的プレッシャーは日に日に増していたように思えます。


そうしてある日こんな噂も聞きました。『ストロングゼロを飲み続けると、狂暴化するらしい』。なるほど、そういえば同僚のちょっとしたひと言にも過敏になり、自分が不当に貶められている、などと感じたりしていました。そして表に出すことは無かったですが、感情が昂り、当時の上司をブッ〇ばす夢も見たりしました。


私が退職するきっかけになった、新年早々の上司との諍いですが、私はその上司を罵り、眼には涙を浮かべていました。その次の日から会社を休み、ひいては退職となったわけですが、その症状的にはストロング系のチューハイを常飲し続けた人間の、典型的な感情の流露があったように思えます。もうこれ以上はムリだ、持たない、そういう心の叫びを、ストロングゼロによって爆発させてしまった。


その結果が良かったのか悪かったのかわかりませんが、いずれにせよ、私はこの職場に見切りを付ける気ではいたのです。ストロングゼロはその代弁者になってくれた、というと大げさになりますが、自分の心が壊れる前に、外側に向かってそれを発散させるきっかけになってくれた、とは言えると思います。


いろんな意味で、規格外の効力を発揮したストロングゼロですが、無職のいまは飲んでいません。

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