会社生活を駆け抜け(た)日々

55歳でひとまず会社生活に区切りを付けたその後の日々

公務員が最高なんてことになったら国が滅んでしまう

こんにちは。


世の中がインフレ気味になって来て、物価が上がって大変だと言われていますが、デフレの時は物価が上がらなくて、ひいては企業の利益が目減りしてしまうと言われていました。だとすれば現在のインフレは、企業側が商品の値段を上げられる格好の機会になっているような気がします。


勿論それに乗じた値上げというのは許されませんが、企業側がある程度の利益を確保出来て、なお且つ従業員にも賃金UPの恩恵を与えることが出来るというなら、ある程度はやむを得ないのかなと思います。数年前までは、デフレ脱却について真剣に議論していたのですし。


ですがそういう経済の波及効果みたいなものから、まったく遠い存在があります。それは公務員です。


公務員は、国または地方自治体に雇われている従業員で、国や地方自治体が潰れない限り(つまりほぼ無いということ)、その職を失う恐れはありません。昔は給与も安かったらしいですが、民間企業が業績を上げて来てからはその水準に徐々に近付いて行き、また就職難によって雇用情勢が悪くなった時は、その安定感で圧倒的優位に立ちました。現在では公務員になれば安泰だ、ぐらいに思われている人気の職種です。


公務員になるということは、働きに応じた成果という点ではあまり期待出来ませんが、業績が悪化した時の不測の事態というのが無くなるので、給与がカットされたり、突然職を失うといったリスクは考えなくていいことになります。給料は並みでも、定年まで勤め続けられる方がいい、という人にとっては、これ以上ない選択になることでしょう。


昔は働く側にも野心が溢れていたので、民間企業で業績を上げて出世したり、世界を股にかけた企業で活躍したい、といった人が多かったと思います。ですがいまは社会全体が萎縮してしまっているので、働く側も、どこかスケールがちいさくなってしまったように思えます。


とにかく食っていける所に就職したい、安定した会社に滑り込みたい、そんな野望というよりは願望ともいえるものに変わって来ているような気がします。私の立場から見ても、もし役所などが臨時の仕事を募集したら、これは美味しいから応募してみよう、となるでしょうね。そうなれば、自分の逃げ切りは確定したようなものですから。


でも、皆ながそんなこじんまりとした願望にばかり捉われていると、社会の躍動感みたいなものが失われてしまうと思います。自分で会社を作って一山当てたい、または商社に入って外国から物を輸入して荒稼ぎしたい、そんな意欲を持った人たちが手腕を発揮出来る場を作らないと、そもそもの経済活動が成り立ちません。皆なが皆な『安泰に過ごせる仕事』を選ぶというなら、それは国の存亡に関わる事態だと思います。


いまの日本を覆っている悲壮感というのは、すぐには解消しない問題だと思いますが、それでも『公務員が最高だ』という空気を醸し出さないように、国がなんらかの政策を取るべきだと思います。50歳になったら昇給を減額するとか、定年後の再雇用は基本的にしない、とか。


そうしないと、国家の生命線である歳入が、ますます目減りしてしまうことと思います。

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