会社生活を駆け抜け(た)日々

55歳でひとまず会社生活に区切りを付けたその後の日々

地域振興商品券

こんにちは、curiosです。


私の住んでいる町も他の市町村と同じように高齢化・人口減少が進んでおり、活気の落ちて来た町の商店街を救うべく、プレミアム商品券なるものが発売されます。


これは1万円の購入金額で、総額1万5千円の商品券になるということで、どのような観点から見てもお得はお得です。そのため、購入制限が掛けられており、一世帯5セットまでとなっていますが、早々に完売してしまいました。


その内訳は、買い物券1万円分と、食事券5千円分です。買い物券はとてもありがたいです。私が食材を買うのは近くのスーパーマーケットが主なので、そこでほぼ使い切ってしまいます。


ですが、問題なのは『食事券』です。


地方の栄えていない町村の、いちばんのネックは、まともな飲食店がすくない、ということです。やっていることはやっているのですが、あまり門戸を開いていない、あるいはお客の来店を想定していない店、というのが必ずあります。


だから食事券に関しては、いつも「ウ~ン」と唸らざるを得ないことが多いです。


基本的に飲食店というのは、営業努力をしている店と、そんなにしていない店のふたつに分けられると思います。営業努力をしている店の最たるものは人気のあるラーメン屋でしょう。活気があり、接客も気持ちがよく、食べた後の爽快感は格別です。これらはやはりお客様を喜ばせようという基本理念をしっかり持っているということだと思います。


対して営業努力をそんなにしていない店、つまりただ開けているだけの店。彼らは日常の延長線上という意識しかないので、お客が来てもなんとなく気だるそうです。そうして頼んでも、料理にキレがないような気がします。そもそも儲けようとしていないので、あまり真剣にメニューを改善しようとしたりしません。


残念ながら我が町の飲食店も、下記の店の方が多いです。だからこのプレミアム商品券については、すべて買い物券として出して欲しいぐらいです。1万5千円というのは確かにオトクなのですが、食事券のことを考えるとなんとしてでも購入したい、というまでには至りません。


よく地方の商店街がシャッター街になって久しいなんて聞きますが、こういう現状なら止むを得ないかなというところです。本当に美味しい店なら交通の便が悪くても、人は押し寄せることと思います。


私はこれが地方の産業の実態だと思います。人というのはよっぽどのことがない限り、堕落して行く生き物です。現状に甘んじ、楽をして生きることばかり考える。


そして個人事業主というのは、税制上の様々なメリットがあります。だから別に黒字じゃなくても、店を開けて置けばいい、という考えの人も多いのでしょう。


元から家がサラリーマンだったり、社会人になってからサラリーマンしか経験したことのない人というのは、選択肢がそれしかないと思いがちです。そのため、企業に勤め、企業独特の厳しさを当たり前のことだと思い込んでしまいます。でも、それだけではない生き方もあるということです。


地方のやる気があるのかないのかわからない飲食店の、なんとなく気だるそうな態度。


これも人間の姿のひとつです。

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