会社生活を駆け抜け(た)日々

55歳でひとまず会社生活に区切りを付けたその後の日々

大型免許を取った理由

こんにちは。


私は在職時に、常に対人関係の不安を抱えていたので、なにかあった時のためにと大型免許を取って置きました。


もちろん大型に乗ったからといって、そういうものから逃れられるとは限りません。乗っているときは一人ですが、荷受け、荷卸しのときは人と関わらなければなりません。またこういう業界にも尖がった人は居て、なにかと人のやることに口を出してくるような輩は居るでしょう。いや、普通の仕事よりももっと過激かも知れません。


それでもこういう免許を取って置けば、いざという時には助けになります。住宅ローンなどの返済を抱えていれば、それが文字通りの助け舟になる。取り敢えず職に就けるということが、精神的な安定をもたらします。なので大型免許を取った時には、えも言われぬ安心感を味わいました。


それから3年ほど経って、今度は大型バスの免許を取ってみようと思いました。時代は日本が観光立国を目指していた時期です。外国人観光客(とくに中国人)が押し寄せ、派手な色のバスがビュンビュン走っていた頃のことです。


これは取って置いてソンはないだろう、と呑気な自分でもわかりました。ましてや数年後には東京オリンピックが待ち構えている。観光バス業界は、圧倒的な人材不足によって、高待遇職種に変わるのではないか。


その目論見は、どこからも隙が無いように見えました。中国人観光客の勢いはまったく衰えを見せず、赤や黄色や紫色の、派手なバスがワンサカ走っていました。そのバスに乗るのはちょっと気が引けたけど、これからのことを考えたら賢明な選択です。必死になって、仕事終りに学校に通いました。


免許を取った時の嬉しさは、これまた格別でした。大型2種というのは運転免許の最高峰と言われています。これで喰いっぱぐれることはないぞ、という安心感が得られました。


ですが・・・。


皆さんもご存じの通り、その目論見は、ひとつの病原菌によって閉ざされてしまいました。よりによって、東京オリンピックを控えた前年に、そのウイルスは中国の武漢から発生し、たちまち全世界を恐怖のるつぼに陥れてしまったのです。


私はそのとき、街にいた中国人が、サーッといなくなるのを目の当たりにしました。これは不吉な兆候だと思ったものの、まさかこれほどまでに規模が拡大するとは思いませんでした。


そして、私が描いていた構図は、それとともに消えて無くなりました。未曽有の人手不足に陥ったバス業界が、待遇を大幅に上げて運転手を募集する。そうして私はいつでもそちらに移れるんだという精神的余裕を持ったまま、仕事に臨めるという安心感です。


でも幸いだったのは、それによって過大な損失を被らなかった、ということです。免許は取ったものの、まだその道に向けて本腰を入れるというまでには至らなかった。もし転職した後だったら、その会社での立場も微妙になっていただろうと思います。ベテランの人は勿論仕事があるものの、必要の無くなった新人なんて、どうなるかわかりませんから。


でも、結局私はその時勤めていた職場を退職してしまった。そうして取り敢えずは傷病手当というもので生活をしている。


これからその免許が生きることはあるのでしょうか。私はもう55になり、これから大型バスに乗るというのはすこしムリがあるように思います。


ですが聞くところによると、普通の送迎などにも2種免許を取り入れるという施設があるらしいのです。昨今問題となっている幼児置き去り事件など、その管理体制を強化した方がいい、という風潮からみたいです。また幼児や養護施設など、ちょっとしたことで事故に繋がりやすい人たちの送迎には、2種免許を持つドライバーのスキルが求められる、という点もあるみたいです。


そうなれば、自分の取った免許はムダにはならないことになります。


これからも自分なりに社会情勢を読みながら、その時点での対応を心掛けて行きたいと思います。

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