会社生活を駆け抜け(た)日々

55歳でひとまず会社生活に区切りを付けたその後の日々

なにが本当のエコなのか?

自動車業界のEV化の波について、ネットでモータージャーナリストが言いたいことを言っています。


モータージャーナリストというのは、あまりオツムがよろしくないのでは?と思います。レーサー上がりだったり、元走り屋だったりする場合が多く、教養を身に付けられなかったのでしょう。文章もたどたどしく、これは小学生並みだなと添削したくなることがあります。


内容についても、中国のEV化にはもう付いて行けなくなっているとか、日本がガラパゴス化しているとか、自国のことをこき下ろして飯の種にしようとする左翼的な姿勢ばかりでウンザリします。それなら中国に帰化すればいいじゃないかと思うのですが、そういうことはしないで住み慣れた日本で言いたいことを言って食い扶持を稼ぐのでしょう。


先日EUが2035年までにすべての新車をEV化するという方針を撤回して、一部エンジン車の生産も続けるという報道がありました。これによって日本の自動車会社が有利になるとの見方も強まりました。私もEV化を支持するジャーナリストの意見には食傷気味だったので、そら見た事か、と思いました。


ですがそれによって日本の自動車メーカーの戦略が正しかった、などと胸を張るのも考え物だと思いました。


いまのところ、従来のエンジン車は幾ら燃費が良くなって来たとは言え、CO2を排出することには変わりありません。また世界で新車を販売するという姿勢を崩さない限り、温室効果ガスを出し続けることになります。


一方、EV車はモーターで走るということで、温室効果ガスは出さないにしても、電気の発電過程でそれを出すことになります。太陽光や風力発電ではとても追い付かないのです。またバッテリーの再処理をどうするかという問題もまだ解決していません。大量に放棄されたバッテリーは、地球に優しいというEVのイメージと大きく乖離しています。


これら両方のことを踏まえると、実はどちらの方向に舵を切っても、エコには繋がらないことになります。従来のエンジン車が幾ら性能を上げたって、EV化が進んだって、どちらも正しくないのです。だから旧来の価値観に捉われた意見を述べるジャーナリストやメディアはただの雑音発生装置です。


いちばんのエコというのは、もう自動車自体を造らず、いま世界にある在庫のみでやっていく、というものです。新車製造時の多大なエネルギーを使わずに済みますし、リサイクルの問題も発生しません。昔のクルマだから排気ガスの問題が云々、なんていうのも、これ以上クルマを作らないということに較べれば大した問題ではありません。


この結論をどのメディアも声高に言わないのは、勿論大口の顧客である自動車会社に対しての遠慮があります。また日本経済の根幹である自動車産業が無くなってしまうという危惧もあると思います。


ただなにが本当のエコなのか?ということを考えた時、今あるものを大切に使って行くということがその思想にマッチすることは間違いありません。その結論を非現実的だなどといって笑う人は、まだ経済成長という実体のない夢を追い掛け続ける、憐れな過去の産物です。

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