会社生活を駆け抜け(た)日々

55歳でひとまず会社生活に区切りを付けたその後の日々

暗いというレッテル

セミリタイヤして楽になったと感じるのは、アイツは暗いというレッテルを貼られなくなったことだと思います。


昔から、人と違ってなにか大きく騒いだりするのが苦手でした。高校などでクラブ活動や集まりで盛り上がったりすると、そのなかで独り平常運転でポツンとしている、というのが定番だったように思います。


こういう症状というのは精神的な問題なのかと思い、自分の症状を調べてみましたが、とくに病名が見当たりません。ですが世のなかには必ず一定数こういう方が居ると思います。若い頃に散々苦労して、やがてインターネットなどで同じような問題で苦労した、という人を見付けると、やはり自分と同じような人が居たんだ、という安堵に包まれたものでした。


だから社会人になってからも大変でした。とにかく『アイツは暗いヤツ』というレッテルを貼られないように、明るく振舞ったりしていました。ですがそうなると、そう振舞ったあとの落差というものに苦しめられました。普段の自分からすると、使っていないようなエネルギーを引っ張り出して来なければならないからです。


こういう葛藤は昔の名だたる作家のなかにもあったようで、有名な所で言えば太宰治ですね。


『人間失格』を読めばこういう葛藤に苦しむ人物像の典型が浮かび上がって来ます。だからある種の人にとっては、「これはオレだ」、という既視感に捉われるんじゃないでしょうか。


ですが、その病名がなんだったのか?ということに関しては、未だ解明されていないと思います。私の推測では、恐らく遺伝子的な問題か、あるいは自律神経の問題によるものかとも思うのですが、同時に社会的な問題でもあると思っています。


とにかく同調圧力の強い日本、他人と違う振る舞いや行為をしたりすると、異分子として弾き出されそうになる社会、こういったものが、その傾向の強い人の不安を増幅させる結果になったと思います。


ですが社会のせいにばかりしていても、状況は一向に改善しません。自分なりに、いままで悩んで来たことも踏まえて、その謎を解明して行きたいと思います。

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