『劇場』
又吉直樹さんの『劇場』を読みました。

芥川賞受賞作である『火花』は貸し出し中であったため、こちらを先に読みました。
主人公は演劇の脚本・演出を手掛けていて、こういう人に見られがちな、すこしエキセントリックな気性を備えています。
芸術家の街である下北沢を舞台にしていて、いかにもそういった人種が溜まり場にしていそうな劇場、店が舞台となっています。
そういう店に集う人たちの、芸術家気取りの言動、態度、そんなものが目に浮かぶようで、自分もそういう場にいるような気分になりました。
自分は高校を卒業してすぐに会社へ入りましたが、仮に東京の大学などへ行き、そういうコミュニティに参加していたら、こういう人生を歩むことになっていたかもしれない、なんてことも思いました。
そうなった場合、経済的には恐らく不安定だったことと思います。
多くの人は、芸術では食っていけないと悟り、会社組織に属することを選びます。
ですがその安定路線を捨て、演劇や創作に励み、夜は仲間と熱い演劇論を交わす、そんな人種が居てもいいのではないかと思いました。
経済が今後目覚ましく発展する見込みのない日本にとって、大事なのは芸術性、もしくは魂の救済なのではないかと思います。
今度は話題作の『火花』を読みたいと思います。