熱海の現在
現在春節などの影響で、訪日外国人ラッシュが期待される日本列島ですが、その喧騒から離れて、ひっそり佇む観光地もあります。
我が県有数の観光地、熱海です。
熱海は戦後、日本の観光地のメッカとして、その地位を確立しました。新婚旅行でまだ海外へ行くというのが一般的でなかった頃は、熱海へ行くというのが憧れだったということです。
そして高度経済成長の頃は、まさに我が世の春を謳歌していました。ガンガン押し寄せる観光客、会社の慰安旅行などの団体客、これらを当然のように受け入れ、その恩恵を享受していたことと思います。
ですがもうその頃から、熱海の衰退は始まっていて、観光地や別荘地としての価値は下がって行きました。1990年代に入ってからは、旅館やホテルが次々と閉館して行き、その様はゴーストタウンのようだといわれました。
その理由は様々なものがいわれています。会社などの団体客メインだったのが、個人の観光客に変わって行ったためだとか、別荘地としての需要がなくなってしまったためだ、とか。
私は観光地があまり好きではないのはここで幾度かお話しした通りですが、その原因のひとつに熱海があると思います。社員旅行などで、幾度か出掛けました。
あの喧騒、通りの横にうず高く積み上げられているゴミの山、夜のぼったくり店、表面上は愛想よく振舞っているものの、裏では狡猾さを隠さない接客態度、など。
社員旅行など、そもそもそんなに好きではない自分にとって、それらは観光地というものに対する嫌悪感を植え付けるのに充分なものでした。これがすこしでも印象を好転させるものに巡り合っていたのならまた話は別ですが。
こういうことの積み重ねが、熱海という街が徐々に没落していったという原因に繋がるものだと思います。観光地としての努力をあまりせず、過去の栄光に乗っかっているだけの営業形態では、人は離れて行くだけだと思います。
現在、日本のおもな観光地では、インバウンドによるオーバーツーリズムなどが問題とされていますが、それらは取りも直さず地域の観光地を盛り上げようという姿勢や努力があったからだと思います。現状に胡坐をかき、客を客とも思わない態度では、そのような状況に至るには程遠いことと思います。
この記事では、海外からのインバウンドは1%に満たない、とあります。この異常ともいえるインバウンドの渦中にあって、その数値は驚異的に低いものです。
熱海の観光に携わる様々な人たちや、地域住民の方々には、その根本的な原因を認識して貰いたい、と思います。