第3次世界大戦はもう始まっている
この間ちょっと興味を持った本です。
著者はフランスの文化人類学者のエマニュエル・トッド。ロシアのウクライナ侵攻についてメインに語っています。
西側メディアの、ロシアを『絶対的悪』とした論調を、多角的な観点から批判していて、ロシアとウクライナの長い歴史や、2国間にしかわからない付き合いがあるため、一方的にロシアが悪と決め付けるのは危険だと注意喚起しています。
またアメリカを、ウクライナを盾にして軍事作戦をしていると非難し、アメリカの内政事情が悪化していることも挙げています。
フランスとアメリカは、どちらかと言えばあまり仲が良くないことで有名です。イラク戦争のときにフランスがアメリカを批判したという件もありますし、なんとなくお互いプライドが高く、自分たちが世界の中心だというのを譲らない、といった感じです。
この本はそういった点も割り引いて読む必要があると思います。日本はやはりアメリカに付いて行かざるを得ないのは宿命ですし、ロシアに対してヘタに譲歩しても、いいことはなにもないと思われます。
ただ違う視点から、物事を俯瞰するということも大事だ、ということは確かで、そのような冷静な観点を持ち合わせていることも必要だと思いました。